4Gや5Gといったモバイル回線による通信の安全性はどうか。フリーWiFiと比較しながら、その安全性を解説します。

強固に暗号化されているモバイル通信

モバイル回線による通信は、暗号化処理がなされておりセキュリティは強固と言えます。街中で利用できるフリーWiFiのように、電波を傍受することで通信内容を盗み見られるリスクは「ほぼ無い」と言えます。

セキュリティは通信事業者にとって事業の根幹であり、そう簡単に破られるような仕組みではありません。少なくとも、金銭を詐取するような目的で活動している犯罪集団や、ストーカーなど他人の情報を収集しようと試みている個人レベルで突破できるようなものではないと結論付けることができます。

絶対に破られないシステムは無い

Group of hooded hackers with side light in blue cybersecurity concept

強固な暗号化処理が施されているとはいえ、絶対に破られない鍵が存在しないのと同じように、国家の諜報機関などが本気を出せば暗号化処理を突破できる可能性はゼロではありません。実際、過去に米英の諜報機関がオランダ企業が製造したSIMカード(当然強固な暗号化が施されている)をハックし、諜報活動を行っていたとされる事実が暴露されています。

とはいえ、一般個人のレベルではそのようなリスクを考慮して、何か対策を施す必要性は「無い」と言えます。

モバイル回線でVPNを利用する必要性は?

カフェや空港、ショッピングモールなどで提供されているフリーWiFiは、モバイル回線とは異なり、電波を傍受することで通信内容を簡単に盗み見ることが出来ます。専用のフリーソフトを利用すれば、中学生や小学生でもいとも簡単に他人の通信内容を盗み見ることができます。その対策としてVPNの利用が有効です。

一方、モバイル回線は前述の通り、強固に暗号化されておりフリーWiFiのような「盗聴」リスクはきわめて低いものです。したがってモバイル回線のみ利用しているスマートフォンではVPNを利用する必要性は「無い」と言えます。

むしろ、特に無料のVPNを中心にセキュリティリスクを否定できないものも多数存在するため、そのようなVPNを利用することでかえってセキュリティリスクが増すことが想定されますし、また通信速度の低下によるストレスも生じます。何も良いことはありません。

フリーWiFiを利用するならVPNは必須

モバイル回線しか利用しないのであれば、VPNを利用する必要はありません。お金の無駄なのでおすすめしません。ですがフリーWiFiでは通信内容を盗み見られるリスクがあるためVPNの利用は「必須」です。フリーWiFiを利用する機会がある人には、適切なVPNの利用を推奨します。

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