VPNに関する疑問としてよく挙がるのが「セキュリティソフト(ウイルス対策)は必要無いの?」というものです。この疑問に分かりやすくお答えします。
VPN利用でもウイルス対策は必要!
結論から申し上げると、VPNを使っていてもセキュリティソフトによるウイルス対策は必須です。その理由を詳しく説明していきます。
VPNの役割はコレ
VPNの役割を整理してみましょう。
VPNは通信内容を暗号化することで、たとえ誰かに通信を傍受されたとしてもユーザーのプライバシーを保護するという役割を果たすものです。
ウイルスや詐欺サイトをフィルタリングする機能を持ったVPNはありません。
なのでユーザーが誤ってウイルスに感染するサイトにアクセスした場合、ウイルスのプログラムが「VPNを通って」PCにそのまま届きます。通常のネット回線を利用した通信との間に違いはありません。
したがって、VPNを利用する場合でもセキュリティソフトを導入するなど、適切なウイルス対策をとることが必要です。
余談:iOSにウイルス対策は不要
なお、iPhoneやiPadについては現状ではウイルス感染するリスクが非常に低く、またAppleが許可していないため「そもそもウイルス対策アプリが存在しない」状況です。なので、PCのようにセキュリティソフトを導入する必要はありません。
ノートンやウイルスバスターなどの「セキュリティアプリ」は数々存在しますが、いずれもiOS版にはウイルスを検知する機能は一切ないです。誤った紹介の仕方をしているサイトや家電量販店が多いので騙されぬよう注意してください。
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過去にあった怖い話
「VPNとウイルス」という話題で紹介しておかねばならぬ「恐ろしい」出来事が過去にありました。
VPNからウイルスに感染
2009年4月、NTTコミュニケーションズが企業向けに提供しているVPNサービスの監視端末がウイルスに感染しました。
その結果、ネットワークを通じてNTTコミュニケーションズ内の端末に加え、VPN(IP-VPN)を利用しているユーザー(企業)にもウイルス感染が拡がるという「大事件」に発展しました。
この件ではNTTコミュニケーションズが脆弱性パッチの適用を怠っていたり、適切なファイアウォールを用意していないなど「ずさんな管理体制」が指摘されました。
同じようなことが再び発生しないとも限らないので、通常のインターネット利用と同様にセキュリティ対策をしっかり行ったうえでVPNを利用しましょう。