
昨今話題になっている偽基地局問題。この対策の一つとしてVPNを常時利用することが効果的です。VPNを使うとなぜ安全性が高まるのか、効果的な使い方とあわせて解説します。
偽基地局問題とは
まず始めに偽基地局の問題を簡単に解説します。
偽基地局とは、携帯電話の通信を行う際に利用する基地局を装い、偽の電波を送受信する犯罪行為です。正規の基地局からの電波を妨害し、偽の基地局に無理やり接続させることで、偽基地局を介して通信が行われてしまいます。
偽基地局に接続することで詐欺SMSを受信してしまったり、携帯電話の固有番号が漏洩する、位置を特定される、通信内容を傍受されるなどの被害が発生します。
偽基地局対策としてVPNが効果的
偽基地局対策としてもVPNは一定の効果があります。
VPNを利用すれば通信内容を秘匿できる

VPNを利用することで、通信の中身そのものを秘匿化することが出来ます。万が一偽基地局の電波に接続し、その回線を通じて通信を行ってしまったとしても、VPNを利用していることで通信内容を盗み見られることが困難となります。
昨今の多くのウェブサイトがSSLによる暗号化処理がされているため、偽基地局に接続した状態でネット通販やネットバンキングを利用してもパスワードなどが流出するリスクは低いです。
とはいえ接続している通信回線自体に危険性がある場合、正規のURLが表示された状態で偽サイトにアクセスさせることが可能です。表示されているURLが「本物」の、「本物そっくり」のサイトでは多くのユーザーがIDやパスワードを入力してしまうでしょう。
このような巧妙な手口に対しても、VPNを利用することで対抗することが出来ます。
VPNだけで防ぎきれるわけではない
とはいえ注意すべき点としては、VPNを利用していれば偽基地局による被害を全て防ぎきれるわけではありません。
例えば偽基地局に接続することで詐欺SMSを受信する被害が報告されていますが、VPNに接続した状態でも詐欺SMSは受信します。またスマホの端末識別番号を秘匿できるわけではないため、あなたの居場所や移動経路を特定されるリスクは残り続けます。
VPNを利用しつつ、偽基地局に悪用されやすい2G通信をオフに設定しておくことをおすすめします。2Gは日本国内では既に使用されていないため、国内で使用する分にはオフで問題はありません。

- Android:設定>ネットワークとインターネット>モバイルネットワーク>キャリア名>「2Gを許可」をオフ
- iOS:設定>モバイル通信>4G/5G優先
やはりこれらの対策で全て防げるわけではない点には注意が必要です。リスクは大幅に軽減することが出来ます。
おすすめのVPNは
VPNには無料のものもありますが、通信速度が非常に遅くなったり、あるいはセキュリティ上の危険があるものが少なくないため、ちゃんとした会社のものを選ぶことをおすすめします。おすすめできるVPNを紹介します。
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ノートン セキュアWiFi

スマホやPCにあまり詳しくない人でも利用しやすいVPNです。パソコンのセキュリティソフトで有名な「ノートン」のVPNです。
通信速度が速く、VPNを起動しても遅くなった感じが無く快適に使えます。スマホでは、VPN無しとの違いは分からないでしょう。
スマホ、PCで使えます。1年あたり3289円。
関連記事:ノートンセキュアWiFiのレビュー
カスペルスキーセキュアコネクション

セキュリティソフトの大手、カスペルスキーのVPNです。スマホとPC、あわせて5台まで利用でき、価格は2900円です。
通信速度は、私が行ったテストではノートンよりも遅く感じ、体感的にも少し遅くなった感じはありましたが、スマホをフリーWiFiに繋げて使うぶんには問題無いでしょう。