VPNの中でも種類が豊富なのが、日本に拠点を持たない海外企業が提供している「海外VPN」です。意外な魅力とデメリットがあるので、この記事を読んで検討してみてください。

※運営企業が日本に拠点を持っていないものを「海外VPN」、拠点がある会社が提供しているものを「国内系VPN」と定義します

海外VPNのメリット

 まずは海外VPNの魅力を紹介します。

日本サーバーが空いてて高速

海外VPNは速度が速い

 日本国内でVPNを使う場合は、「日本」のサーバーに接続してVPNを利用するのが最も高速です。

 海外VPNは日本人のユーザーが少ないため、「日本」のサーバーが空いているため、混雑知らずでいつでも快適に使えるものが多いです。

 また、時間帯に関係なく常に速い速度で通信できるものも多く、通信速度を重視してVPNを選ぶなら「海外VPN」がおすすめです。

 私の計測では、VPN無しの状態と比べて速度低下がわずか4.1%というVPNもありました(ExpressVPN) 国内系はどうしても7割ほど低下します。

機能が充実しているものも多い

 国内系(多くは海外の大手セキュリティ会社の製品)は、発売が2016年以降のものが多く、まだまだ技術的に成熟していない部分が否めません。最低限の機能に限られます。

 一方、海外VPNは発売から年数が経っているものも多く、また差別化のため様々な機能を装備していることが多いです。

 VPN接続が切れた場合に通信を遮断する「キルスイッチ」は当たり前。更に、高度な暗号化を実現するTorと組み合わせた通信が出来るもの、あるいは接続先として選べる国の数が多いものなどがあります。

 VPNとして使う分には国内系でも充分ですが、色々な機能を使いこなしたい人には海外VPNがおすすめです。

種類が豊富

 国内系VPNもこの数年で一気に増えましたが、まだまだ海外VPNの方が種類が豊富です。

海外VPNのデメリット

 続いて、海外VPNを使う上で気になる点を紹介します。

日本語対応が不十分

 日本国内に拠点が無い企業が提供しているため、日本語対応が不十分です。

 購入サイトの日本語対応という点はもちろん、ソフトの操作画面やテクニカルサポートも「日本語非対応」というものが多いため、使用にあたっては最低限の英語力が必要になります。

運営元の信頼性が低い

 国内系はシマンテック(ノートン)やトレンドマイクロ(ウイルスバスター)、カスペルスキーなど世界を代表する大手セキュリティ企業が提供しているものが中心です。

 一方、海外VPNはVPNの提供だけを事業として行っている「聞いたこともないような」会社が提供しています。また、情報の保護を目的として、英領ヴァージン諸島やパナマに本社を置いているものが多く、その点でも「怪しい」雰囲気が漂っています。
 中にはインストーラーにセキュリティ署名が付されていないなど、明らかに「アウト」なものもあるので注意が必要です。

 運営元の信頼性という点では、世界的セキュリティ企業が提供しているVPNの方が圧倒的に高いと言えるでしょう。

料金が高い

 意外な感じがありますが、海外VPNの方が料金が全体的に高いです。

 その分、通信速度が高速だったり機能が充実しているというメリットがありますが、ふつうにネットをするだけなら料金が安い国内系でも充分です。

おすすめの海外VPN

 最後に、海外VPNをいくつか紹介して終わります。

ExpressVPN

 通信品質がとても良いです。Ping値が小さくストレスが少ないのはもちろん、通信速度もVPN無しの時と遜色ない水準で使えます。

 ネットサーフィンも快適に使えますし、大容量のダウンロードをするのにうってつけのVPNです。

 操作画面も公式サイトも日本語非対応ですが、英語が苦手な私でも簡単に操作できました。

NordVPN

 他のVPNには無い、「特殊な」接続機能をいくつか装備しています。

 国家権力でも解析が困難と言われているTorとVPNを組み合わせた接続や、2つのVPNサーバーを経由するダブルVPNなど、高度な暗号化を実現する機能があります。

 一般的なVPN接続で利用する場合は、ExpressVPNよりはやや劣るものの通信品質も良好で快適に使えます。