VPNとセキュリティソフト、どちらも「セキュリティ製品」という大きなカテゴリーで括られるものですが、何が違うのでしょうか。中学生にも分かるように分かりやすく解説します。

両者の「役割」を整理してみよう

VPNとセキュリティソフトは、役割が全く異なります。それぞれの役割や機能を整理します。

VPNは安全な通信を実現する

間の「土管」の部分の安全性を高める

VPNは、通信内容を暗号化することで安全な通信を実現するのに役立つものです。

誰でも使えるカフェや駅、空港などのWiFiは、電波を傍受して専用の解析ソフトに掛けると、他人の通信内容を「盗み見る」ことが出来ます。

VPNは、そうした盗聴を防ぐのに役立ちます。

セキュリティソフトはPC・スマホへの攻撃を防ぐ

それに対し、ウイルスバスターを始めとするセキュリティソフトの主な役割は、PCやスマホへの攻撃を防ぐことにあります。

PCやスマホにはウイルス感染や、あるいは外部からの不正侵入といった様々なリスクが存在しています。ウイルスバスターやノートンといったセキュリティソフトは、それらの攻撃からPC・スマホを防御するのに役立つものです。

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両者の違いはココ

更に整理して、分かりやすくまとめます。

守備範囲が違う

VPNとセキュリティソフトは、守備範囲が全く異なります。

PCやスマホを外敵から守ってくれるのがセキュリティソフトで、これを例えて言うなら「自宅の防犯」でしょうか。家に泥棒や強盗が侵入するのを防ぐのがセキュリティソフトの役割です。

それに対しVPNは、例えて言うなら外出時に同行してくれるボディガードのようなものです。家から目的地まで、安全に移動するのをサポートしてくれるのがVPNです。ここでいう「目的地」というのは、インターネット通信でやり取りをする先、つまり様々なウェブサイトとか、そういったものを指します。

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VPNを使えばセキュリティソフトは不要という「誤解」

よくある誤解が、VPNを使えばセキュリティソフトは不要、という考え方です。

ですがこれまでに説明してきたように、両者は守備範囲が全く異なるため、併用することが必要です。VPNではウイルス感染を防ぐことは出来ません。VPNを使うことでウイルスる感染するリスクはわずかに低下しますが、「ウイルス対策」にはなりません。

なお、iPhoneやiPadにはウイルスを検知する「セキュリティアプリ」が存在しないため、これらの端末ではセキュリティソフトの使用は不要というか無いので使うことが出来ません。そもそもiPhone & iPadにはウイルス感染リスクも「ほぼ無い」ので大丈夫です。

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