米国のセキュリティ企業、WebrootのVPNです。Windowsの他、MacやiOS、Androidなどマルチデバイス対応です。
VPNソフトとしては機能が充実しており、また操作画面も見やすく使いやすいですが通信品質はというと・・ スピードテストの実測値や使用感を交えながら、詳しくレビューします。
Webroot WiFi Security VPNの評価(総評)
提供元は?
アメリカのコロラド州に本社を置くセキュリティ企業、Webroot社のVPNです。なお、2019年2月にWebroot社はデータ保護サービスを提供するCarbonite社に買収されています。
日本での知名度はかなり低いですが、ヤマダ電機の店頭でWebrootのWindows用セキュリティソフトが売られているので、全く知られていないブランドというわけでも無いでしょう。ちなみにWindows版のセキュリティソフトは動作がとても軽いです。
米国市場ではある程度名の知れたセキュリティ企業なので、VPNの提供元としては充分な信頼性があると言えます。
実測した通信速度
Ping値 | ダウンロード | アップロード | |
---|---|---|---|
Webroot | 42.00ミリ秒 | 60.70Mbps | 23.42Mbps |
ソフト無し | 34.80ミリ秒 | 127.84Mbps | 147.08Mbps |
増減 | 7.2ミリ秒悪化 | 52.5%悪化 | 84.1%悪化 |
SPEEDTESTのWindowsアプリを使用し、都内から「日本」に接続し、「at2wn」サーバーで5回計測、その平均値です。ノートンをインストールしたPCですが、計測中は保護機能をオフにしました。
計測数値は特にアップロード速度が大幅に悪化しましたが、ダウンロードとともにネットサーフィンや動画のストリーミング再生程度であれば、充分な速度が出ています。
ただし、実際に使ってみると使用感は必ずしも良くないと感じます。例えば一部のウェブサイトが読み込み中のまま止まって閲覧出来なかったり、あるいはPing値の悪化という結果にも現れていますが、全体的に遅延が大きくなったと感じました。
価格を考えると、割高に感じてしまう使用感です。
接続先
日本を含む36の接続先から選択できます。一覧は以下のとおりです(記事執筆時点)
アジア オセアニア | 欧州 | 北中南米 | その他 |
---|---|---|---|
日本 香港 インド オーストラリア ニュージーランド シンガポール タイ | イギリス ドイツ フランス アイルランド イスラエル イタリア オーストリア オランダ スイス スウェーデン スペイン デンマーク ノルウェー ハンガリー フィンランド ベルギー ポーランド ポルトガル ルーマニア ロシア | アメリカ東部 アメリカ西部 アルゼンチン カナダ キプロス ブラジル メキシコ | 南アフリカ 英国ストリーミング |
他のVPNと比べるとアジア圏に弱く、東欧と中南米の選択肢が多いです。
最寄りの?接続地を自動で選んでくれる機能もあります。東京から試したところ、「日本」に接続しました(インストール直後は何度か失敗して何故かドイツに繋がった)
「自動更新」にご注意
注意点としては購入・初回起動時に契約が「自動更新」になってしまうようです(米国公式サイトから購入) 自動更新に同意しないとソフトを起動できませんでした。
自動更新の契約解除は、購入時に送られてくるメール本文にあるhttps://www.webroot.com/us/en/auto-renewal-optout-wifiの下部にある欄に自分の名前とメールアドレスと「解約理由」(空欄でも可)を記入する必要があります。面倒です。
フォームに入力後、しばらく(24-48時間)経つとメールで通知が来るようです。
他にも自動更新になってしまうVPNはありますが、これまでで一番手続きが面倒でした。
機能の詳細
各機能を詳しく解説します。
Webフィルタリング
閲覧することで危険性(ウイルス感染や詐欺など)があると判定されたサイトへのアクセスをブロックし、警告を表示する機能です。
セキュリティソフトにある危険サイト検知機能と同じようなもの、とイメージするとよいでしょう。VPNでは珍しい機能です(プライバシー保護の観点から、どうなのかなと感じる部分はあります・・)
フィルタリングは特にアダルトサイトなどでは感度が強すぎるのではないかという印象を受けました。
キルスイッチ
予期せずVPN接続が切れてしまった場合に、通信を遮断することでプライバシー保護を図るための機能です。初期設定では無効(キルスイッチは働いていない)になっていました。
自動接続
WiFiに接続した際に、自動でWebroot WiFi SecurityのVPNを有効にして、安全性を高めます。初期設定では有効になっていました。