パナマの会社が提供しているVPNです。

 TorとVPNを使った接続や、VPNを2つ経由してユーザーの秘匿性を高める機能があるのが特徴です。

 製品、サポートともに日本語には対応していないので英語が苦手な人にはあまりおすすめできません。機能や特徴を詳しくレビューします。

NordVPNの評価(総評)

提供元は?

 タックス・ヘイブンとして知られるパナマに本社を置くTefincom S.A.社が提供しています。パナマに拠点があるため、欧米のサイバー規制の対象外ということでその匿名性の高さから人気があるVPNです。

 海外のネットユーザーの間では知られた存在ではありますが、大手セキュリティ会社というわけではないのでVPNの提供元としては安心感には欠けますね。

 強度な256ビットの暗号化やログを一切保持しないことを謳っている他、VPNを使って二重に暗号化する「ダブルVPN」やTorネットワークを使って高度に暗号化する機能もあります(詳細は後述)

接続待ちの画面

実測した通信速度

Ping値ダウンロードアップロード
NordVPN18.4ミリ秒112.34Mbps176.07Mbps
ソフト無し8.2ミリ秒132.00Mbps213.31Mbps
増減10.2ミリ秒悪化14.9%悪化17.5%悪化

 東京から日本のサーバーに接続し、speedtest.net(at2wn)のスピードテストで計測した数値です。5回計測した平均値を掲載しています。

 Ping値、上り・下りの速度いずれも計測値ではトップクラスの優秀な成績でした。別時間帯に再度計測したところ、Ping値がVPN無しとほぼ差が無い9~10ミリ秒という結果も出ました。

 ウェブサイトの表示開始が若干遅れる場面もありましたが、VPNの使用感としては平均以上でしょう。

接続先

接続地を選ぶメニュー

 日本を含む60カ国/3338のサーバーから選択することが出来ます。3338の内1400が南北アメリカ、1626が欧州となっています(いずれも記事執筆時点)

 詳しい一覧は公式サイトに掲載されています。

日本語への対応は?

 公式サイトの多くはきれいに日本語化されていますが、ソフトやテクニカルサポートは日本語に対応していません。

 VPNとして使う分には英語が苦手でも問題ありませんが、契約の自動更新の解除の手続きが少しややこしいので、英語が全くダメだという人は避けた方がいいです。

チャットサポートに聞いてみた

機能の詳細

 各機能を詳しく解説します。

オニオンルーター(Tor)

 軍事用に開発された秘匿性が高い「Tor」を利用した接続です。Torはいくつもの地点を経由してランダムに接続するため、もともとのユーザーを特定するのが非常に困難な接続方法です。

 VPNからTorに接続して通信を行うため、ユーザーの特定をより困難にすることを謳っています。また、ISP(プロバイダー)にTorを使っていることが分からなくなる効果もあります。

 通信速度は非常に遅く、スピードテストでは500Kbps前後という低速でした。Tor用のサイト(.onion)は閲覧できないようです。

Tor接続機能などを選べる

ダブルVPN

 2つの異なるVPNサーバーを経由することで、ユーザーの特定をより困難にすることを謳った機能です。二度にわたり暗号化されます。

 通信速度は大幅に低下し、スピードテストでは300Kbpsを切る結果が続きました。PCでもウェブサイトの閲覧が「できなくもない」速度ですが、画像が多いサイトや動画再生は難しいでしょう。

CyberSec

 「危険なウェブサイト」へのアクセスをNordVPN側でブロックしてくれる機能です。アクセスすることでウイルス感染してしまうようなサイトをブロックします。(初期設定状態では無効)

 本機能を有効にしても、動作感にはほぼ影響は見られませんでした。もしかしたら若干動作が低下しているかもしれませんが、誤差の範囲内でしょう。なんとなく、ウェブサイトの表示開始が遅くなったような感じはあります。

設定画面

Kill switch

 VPN接続が切れた際に自動でネット接続を遮断し、情報漏えいを防ぐ機能です。ネット接続全体を一括して遮断できる他、アプリケーションごとに遮断することを設定できるという他のVPNソフトには無い機能もあります。

購入・価格

1ライセンスで6台まで利用できます

1ヶ月1年2年3年
価格(米ドル)11.95ドル143.4ドル286.8ドル430.2ドル

決済はクレジットカードやAmazonアカウントを利用したAmazon Pay、仮想通貨払いなどに対応しています。